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少年サッカー指導の考え方
「少年は小さな大人ではない」。
これが少年サッカー指導の出発点です。
一生サッカーとつき合っていくことのできる「サッカープレーヤー」にするために、
小学生年代でとんな指導が望ましいか考えていきましょう。
7.サッカーを楽しみ、自分で考えられるプレーヤーに育てるために〜どのように伝えるか〜
@動機づけ
サッカーの練習では、少年たちに「楽しさ」を実感させることが何よりも優先されなければなりません。それがすべての出発点となるからです。
●達成感を与える
何かができるようになったことを実感させます。それによって、自分自身で積極的にサッカーに取り組む姿勢(内発的動機づけ)ができるからです。
それには、そのときどきの目標設定を適切にすること、それをはっきりと少年たちに示すことが重要となります。
●認めてあげる
何かできるようになったら、それをはっきりと認めてあげなければなりません。それによってチーム内での自分の位置づけができ、周囲からの期待を感じることができるからです。
言葉に出してほめるてあげることが、自分の力量を評価できることにつながります。外からの動機づけが、内発的な動機づけを誘発できれば、少年の意欲は飛曜的に向上します.
●環境を整備する
グラウンドの状態、ゴールネットがきちんと張られていること、ラインがしっかりと引いてあること、コーチだけでなく少年たちの服装も整っていることなど、サッカーをする「環境」の力を軽視してはなりません。
環塊を整備することによって、ボールをけりたい、体を動かしたいという気分を引き出すことができるのです。
●意欲の向上
以上の3点が、サッカーという「遊び」に取り組む意欲を向上させるうえでとても重要なことです。
最初はサッカーを「やらされる」という意識でクラブにはいってきた少年が、自ら進んで「やりたい」という姿勢に変わってくるのが実感できれば成功です。
●意欲を低下させる要因
「楽しさ」が感じられなくなれば、サッカーは「遊び」ではなくなり、意欲は著しく低下します。いくつかの要因が考えられます。
1、やらせすぎ:時間的なことだけではなく、自由な発想が、どれだけ許されるかに関係します。
2、目標の不明確・不適切:達成感と満足感がアンバランスになります。
3、コーチに対する不信感:コーチの考えが不安定だと、関心が薄れてしまいます。
少年は、かならずしも親やコーチと同じ動機でサッカーをしでいるわけではありません。大人の価値観や文化を押しつけるのは、「楽しさ」を奪う大きな要因となりうることを忘れてはなりません。
Aゆとりをもつ
少年に対する指導は、少年たちの自由な発想や意欲を引き出すものでなければなりません。そのためには、少年自身が考える間、ゆとりをもったものでなければなりません。
1+1=2と「教える」のではなく、どうして1+1が2になるのか、ほかに答えはないのかなど、少年自身の「試行錯誤をうながす」のです。
「考える力」は、小学生年代の6年間で大きく発達します。この時期に自分で考え、予測し、判断し、決断するというプロセスの習慣を養うことが大事なのです。そのうちのどれが抜けてもいけません。
コーチからの「指導」は、アドバイス以上のものであってはなりません。「命令」になってしまうと、上記のプロセスがこわれ、主体的な判断のできないプレーヤーになってしまうのです。
そもそも、サッカーの最大の魅力、本質は、プレーを判断し、決断し、実行するのは選手自身だということです。
その喜び、サッカーの本来的な「楽しさ」を奪ってはなりません。
小学生年代では、失敗が許される年代です。しかしわざとミスをする少年がいるでしょうか。もしいるとすれば、それはコーチの閲題であって、少年自身の問題ではありません。
主体的な判断をしたうえでの失敗なら、少年はそれから学ぶものがあるはずです。その学習が、適切な判断を自分で下せるようになる貴重な経験となるのです。
サッカーというゲームでは、ミスが少ないほうが勝ちます。だからコーチが勝負にこだわると、ミスをさせない、許さないという方向にいってしまいます。そうした指尊からは、主体的な判断のできるプレーヤーは育ちません。
サッカーの本来の喜びを表現できるプレーヤーを育てるには、「ゆとり」をもった指導姿勢が大切なのです。
B個性の尊重
少年はそれぞれに発育・発達の速度、興味・閑心、性格、家庭環境が違い、個人差があります。よく観察してそれぞれの長所を見つけることからコーチの仕事は始まります。そしで、小学生年代では、その「長所を伸ばす」ことを最大の目標にするべきです。
低学年では、「できること」をテーマとし、それをどんどんやらせることによってモチベーション(やる気)を高め、サッカーに主体的に取り組む意欲を引き出します。
高学年でも、さらに「できること」をどんどんやらせます。と同時に、「できないこと」を自覚させることが大切になってきます。「できないことができるようになる」ことの楽しさを知らないと、意欲が低下してしまうからです。「できない」ことは悪いことではありません。ただ、それを「やろうとしない」のは、よくないということを、教える必要があります。
「長所を伸ばす」には、それをコーチが認めていることを、少年に伝えなければなりません。すなわち、ほめてあげることです。
人間は、ほめられたことは忘れません。とくに少年期ではそうです。だからもういちどやろうとします。
ほめられると自信につながり、それが内発的な動機づけを生みます。そして積極性、自主性、向上心につながっていくのです。つまり、長所をしっかりほめてあげることが、短所を克服しようという気持ちを引き出すのです。
「ジュニアサッカー小学生の練習メニュー」編著 横浜マリノス より
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