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戸塚フットボールクラブ 戸塚FCJ
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サッカーの魅力


B.チームゲームとしてのサッカーの価値

@サッカーには1人の王様と10人のドアボーイがいる

 サッカーは、1チーム11人(イレプン)で行うスポーツですが、“グランドの中には1人の王様と10人のドアボーイがいる”といわれています。

 王様とはだれかというと、チームで一番うまい選手でも、点をよく入れる選手でもありません。では、チームのキャプテンか、それともチームに1人しかいないゴールキーパーか、というとそれも違います。

 王様とは、試合中にボールを持っている選手のことをさしています。

 ですから、試合の中では1人1人の選手があるときは王様になり、またあるときはドアボーイになって王様を助けます。

“1人の王様と10人のドアボーイ”という表現は、サッカーではボールを持っていないときの動きがいかに大切かということを、間接的に言い表しているといえます。

 また、サッカーのようなチームゲームでは、11人のレギュラーは王様、そして補欠の選手はドアボーイとしての仕事を要求されます。チームというのは、レギュラーや補欠、マネージャーなどが、それぞれの役割を責任を持って追求することによってうまく機能するのです。

Aチームワークとは何か

 チームワークという言葉には二つの側面があります。一つは「和」「友情」「思いやり」、「はげまし」などの言葉に示されるような感情的(Emotional)な側面です。もう一つは「仕事」「役割」「ポジション」という言葉で表現される機能的(Functional)な側面です。

 日本的なチームワークの発想では、どちらかというと感情的側面だけが強調されがちですが、機能的に、つまり、1人1人が自分に与えられた仕事や役割を責任を持って遂行することによって、チームがうまく成り立つということも決して忘れてはなりません。

 チームの力を結集するということの中には、チーム全体の“雰囲気”“ムード”を盛り上げることと、1人1人に適切な役割を与えてそれを実行させることが含まれます。

 感情的な側面を強調することは、勝つためには非常に重要なことですし、チームに“活気”がないとなかなか勝てないということも事実です。しかし、チームの雰囲気やムード作りにだけ気を配っていると、個人の特徴や個性といったものに対する配慮が薄れてしまうものです。

 指導者にとって、特に少年期の指導者にとっては、どちらか一つの側面だけを強調せずに、両者のバランスをとる感覚が必要です。

 

B仲よくするだけがチームワークではない

 チームプレーやチームゲームについて語るときに、よく「信頼関係」という言葉が出てきます。サッカーのような集団スポーツでは、その集団の成員がお互いに協力し合って個々の力を結集する必要があります。その結集のポイントになるのが成員同士の「信頼関係」です。

 信頼関係を築くためには、普段から行動を共にし、一緒に生活する時間を持って、気心を知ることがいちばん大切だと考えがちです。同じ釜の飯を食えば親近感が生まれ、仲よくなれるだろう、そう思いがちです。

 しかし、仲よくすることと信頼関係を築くことは少し違うのです。サッカーのような集団スポーツでは、ただ仲がよければよいというわけにはいきません。“彼は何ができるか”“彼はこんなプレーをしてくれる”、チームが求めている役割を確実にやってくれるか、あるいはやろうとしているか否かで、信頼関係が成立したり、しなかったりするのです。

 少年サッカーには当てはまらないかもしれませんが世界のプロフェッショナルの信頼関係はまさに“彼は何ができるか”で決まってきます。

 パスを渡してもすぐ敵にとられてしまったり、絶好の得点チャンスにシュートをはずしてばかりいる選手は、いくらいい人間でも、サッカーのグランドの中では信頼されないのです。

 

Cできない子どもに対する配慮は必要だ

 しかし、子どもたちの指導においては、上記のような大人の関係だけで指導してはいけません。なぜなら、前にも述べたように子どもたちは未完成な存在であり、今はできなくても、時間がたてばできるようになる存在だからです。

 少年期においては、「できる子」と「できない子」を区別するのではなく、できない事をどれくらいやろうとしているかで評価することが大切です。また、そういうチャレンジ精神がいかに大切かを教えたり、刺激したりするようにしなければなりません。

 子どもたちの中に、あいつは今できないけれど、一生懸命やっている。だからあいつはいいやつだ、一緒にがんばろう。そういう気持ちを芽生えさせるようにしたいものです。

 そういう基本的な考え方を貫いてチームを指導していけば、子どもたちの間に自然にリーダー的存在が生まれ、フォロアーとしての役割を担うものがでてくるでしょう。

 「できない子」を試合に参加させれば、時にはチームの足を引っぱることもあるでしょうが、そのときの結果だけで子どもを評価せず、チームの一員としての存在感を植えつけてやることが指導者の役割です。

 


 「少年サッカーの指導」著者 加藤 久

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